Do Androids Dream of Electric Sheep?

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2012/06/13(Wed)

運命のボタン

ここに1つのボタンがあります。
これを押せば、あなたは1億円手に入れる事ができます。
しかし、その代わりにあなたの知らない誰かが死にます。
さて、あなたは押しますか?

という、キャッチコピーに誘われ観た映画。
まぁ、良心とか何だかが問われるのだろうが、実際にこれは命は金で買えるかという話。
命と言っても重さには違いがあり、知っている人なら重く、知らない人なら軽くなるのも当たり前。
故に知ってる人が死ぬのなら、10億でも押せなければ、
知らない人が死ぬのならば、たとえ1万円でも押すかもしれない。
こうしている間にも、人はどこかで死んでいるのだから、
ボタンを押したせいで死んだかどうかなんて、大量の死の前に霞んでしまうだろう。

そんな事は置いといて、

ミステリーというジャンルは、謎を解き明かすのが快感になるもの。
その謎が深ければ深い程、不可能な程、解き明かした時にスゴイと思えるものだ。

だったら謎を深めればいい、不可能にすればいい。

密室殺人なんて不可能犯罪と呼ばれるが、トリックを使えば誰にでも出来てしまう。
これでは素晴らしいミステリーは生まれない。
ただのスゴいミステリー止まりになる。

私の中の定義だが、人間が扱える謎を題材に素晴らしいミステリーを描けば、それを傑作と呼ぶ。
傑作ミステリーと呼ばれる小説など、主に殺人事件などが多いからだ。

しかし世の中には、人間では到底不可能な謎を題材に、素晴らしいミステリーを描くものもある。
ゲームでは「ever17」
映画では「アイデンティティ」
などが私的に好きだ。

今回の映画、運命のボタンも人を超越した謎を題材としていた。
しかし、それは映画「フォーガットン」にも通じる、小規模感があった。
謎自体を超越させるのはイイことなのだが、
解決自体を人を超えた存在に委ねるのは、ミステリーとして違反だと思う。

悪魔や神の仕業だったから、こんな事が起きたのだ!!
では、私は納得しない。
はじめからそれをモチーフにしているのならいい、しかし後付けのように、
ただ解決策が他にないから漠然とそんなものの仕業にされては、許せない。

先程挙げた、ever17、アイデンティティは、謎自体を最高に不可能な状態まで昇華させ、
なおかつ、それを納得させたのだから素晴らしいのである。

この違いを少しだけ考えてみた。

おそらく駄作は、超越した存在自体が、意志を持って謎を作り出し、
そして傑作は、超越した現象を知った人間が、謎を作り出しているのだと思う。

ここにはおそらく、もっと深い謎と、制作者のものすごい努力と発想があったのだと思う。
それも知らずに、よくこんな事を言えるものだと感じるが、まぁ思ったのだから仕方がない。
いつか私も、これだけのミステリーを考えてみたいものだ。

ついでに運命のボタンは駄作じゃないですよ。

henyo
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